脳の活性化+名文に慣れ親しむ ~3年生の音読が素敵です!~

 毎朝の「脳トレ」。一番早く声が聞こえてくるのは3年生です。3年生は子どもたちの「朝の用意」も早く、8時半の「脳トレスタート」の時間を待たなくても、「音読」をスタートできるのが、3年生の素晴らしいところです。

 それから、子どもたちの「音読」の時の、姿勢(構え)がいいのも3年生の素晴らしいところです。しっかりとお腹から大きな声を出すことで、体と脳が目覚め、活発に動き始めます。3年生の元気なはつらつとした音読の声が、爽やかに校舎に響いています。朝から、心を「整えて」、気持ちのいい朝のスタートがきれている3年生の姿に一年間の大きな成長を感じています。

 

 脳トレの「音読」では、今「竹取物語」をやっています。

 

「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。

 野山にまじりて竹をとりつつ、よろづのことに使ひけり。

 名をば、さぬきの造となむいひける。

 その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。

 あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。

 それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。」

 

 これは「全校共通教材」であって、1か月間は1年生でも6年生でも同じ「竹取物語」を音読しています。

 低学年には難しいのでは…。意味が理解できないのでは…。」と思われがちですが、「意味」はすべて分からなくていいと思っています。「竹取物語」なら、「文語体」独特の言い回しや調子に慣れ親しんで、楽しんで「音読」できればいいのです。この「全校共通教材」は原則、毎年同じものを扱います。つまり毎年1月は、どの学年も「竹取物語」を音読します。そうして毎年繰り返すので、上学年になるとほとんど「そら」で暗唱できるようになります。そして学年が上がるにつれ、自然とその「意味」もなんとなく分かってくるようになります。

 本当に「教材」としてしっかりと学ぶのは中学校に行ってからで、「竹取物語」や「平家物語」「枕草子」などは中学校国語でしっかり学習します。逆に言えば、中学校で学ぶ「古典の名文」を脳トレの「音読」で扱うようにしているわけです。竜王町の子どもたちが、中学校で古典を学ぶとき、すでに子どもたちは「暗唱」できるくらい、古文の文章が頭に入っていることになります。 

 竜西小は随分前(私が教務主任をしている頃)から、「竜西ほんわか大作戦」と銘打って、読書の推進や暗唱ラリーなどの取組で「名文に慣れ親しむこと」に力を入れてきました。現代文、古典にかかわらず、「名文」に触れること、音読(暗唱)することで「文学・言葉の力の素晴らしさや楽しさ」を味わうことを大切にしてきました。「意味」はよく分からなくても、(それはあとあと自然とついてきますから、)まずは「音や調子」「作品の雰囲気」なんかが楽しめればいいと思っています。先日も、1年生が宮沢賢治の「雨にも負けず」を自信たっぷりに「暗唱」している姿を見て、「子どもたちの力ってほんとにすごいな。」と感心させられました。

ちなみに、朝の脳トレの「音読」では、「全校共通教材」以外に、その学年に味わわせたい「学年教材」にも取り組んでいます。