2023年1月の記事一覧

決して「手」を止めない集中力! ~今、2年生がすごいです!~

 今朝、久々に2年生の「朝の脳トレ」を見に行って、すごく驚きました!いつのまにか2年生の子どもたちの「集中力」がとんでもなく高まっていたからです。

 特に、漢字学習の場面の「集中力」がすごかったです。一定時間、全く手を止めることなく、漢字を書き続けます。もうプリントの余白はどこにもありません。時間がある限り、練習あるのみ!書きまくります。その子どもたちの「勢い」に圧倒されるくらいでした。一部の子どもたちではないですよ。一人残らず、全員がすごい「集中力」と「勢い」で手を動かしています。

 そして、子どもたちの「勢い」に負けず劣らぬ勢いで、担任の先生は子どもたちの机間を動き回ります。決して「足」を止めません。「きれいな字だね!」「姿勢がきれいだね!」「すごいすごい!いっぱい練習できてる!」…一人ひとりの「やる気スイッチ」を押し続けながら子どもたちを鼓舞し、励まし、支えます。

「はい。テスト!」と担任の先生が言うと、子どもたちはいっせいにプリントを裏返して、「漢字のテスト」に入ります。全部書けると、「はい!」と手をあげ、先生を呼びます。先生は駆けつけるとすぐにその場で「〇つけ」をしてくれます。その後も決して子どもたちの手は止まりません。余白に「復習」します。テスト用紙も一面、漢字で埋まっていきます。

「はい!」と手をあげて、先生の〇つけを待っている間すら、子どもたちは手を止めません。本当にすごい「集中力」です。とてもとても子どもたちが頼もしく見えた「朝の脳トレ」の風景でした。

 「15分間、子どもたちは決して「手」を止めない!そして先生は「足」を止めない!」…これが自慢の「竜西プライド」です!

 

みえるとか みえないとか ~1月きらきらうきうきどんどんの日~

 

 昨日は、1月の「きらきらうきうきどんどんの日」(人権を確かめ合う日)でした。ヨシタケシンスケさんの絵本「みえるとかみえないとか」の読み聞かせを聴いて、学年の発達段階に合わせて、自分の中の「あたりまえ」や「人と同じこと・ちがうこと」 について、じっくり見つめ直す時間を取りました。

 今回の「きらうきどんの日」の目標をきちんと書くと…

「ふつうであること」と「ちがうこと」について、絵本における捉え方や児童自身が実体験においてどう捉えているのかを知ることを通じて、多様な他者との違いを積極的に認め、お互いの個性を尊重しながら関係性を築き、望ましい生き方を探求していく道徳的実践意欲と態度を養う…ということになります。

 

 さて、このお話のあらすじをざっと紹介すると… 

「ぼく」は宇宙飛行士。いろんな星を調査するのが仕事です。ある星で出会ったのは、「前にも後ろにも目がある宇宙人」。「ぼく」が後ろを見えないことを知るとかわいそうに思って、ものすごく気を遣ってくれるので変な気持ちになってしまいます。

 この星では前も後ろも見えるのが当たり前なのですが、生まれつき「後ろが見えない宇宙人」もいて、「ぼく」と同じなのですごく話が盛り上がります。

 地球では後ろが見えないのが当たり前ですが、他の星には他の星の「当たり前」があるのです。例えば、足が長いのが当たり前、空を飛べるのが当たり前、体が柔らかいのが当たり前、他にも……。

「前にも後ろにも目がある宇宙人」の中にも生まれつき「全部の目が見えない宇宙人」がいました。この全盲の宇宙人の世界の見え方は、「ぼく」とは全然違うものでした。例えば、自分の予定はメモの代わりに録音しておく、外を歩くときは杖を使う、自動販売機では買ってみるまで何が出てくるかわからない……他にも「ぼく」とはたくさんの違いがあるのです。

「ぼく」は、目の見えない人の世界があるとしたらこんな感じなのかなと想像します。例えば、声のいい人がモテる、手触りや匂いで服を選ぶ、粘土メモを使う……他にもたくさんの想像が膨らみます。

 この絵本では、見える人と見えない人の世界の感じ方の違いを描きます。さらには、見えないからできないことや見えないからこそできること、もっと言えば誰だって少なからず「違い」があることを描きます。

 このお話は、「障がい」というものをちょっと違ったアプローチで考え直す機会を与えてくれます。また、みんなが感じている「当たり前」を見直す機会を与えてくれる絵本です。

 

 私(校長)が印象深く感じたフレーズがいくつかありまして…、 

「じぶんと にているひとは、あんしんできる。…じぶんたちと ちがうひとは、やっぱり ちょっと きんちょうしちゃう。じぶんと なにがちがうかが、よく 分からないから。わからないのは こわいから。・・・」

「じぶんと ちがうひとでも、おたがいの くふうや しっぱいや はっけんを おしえあったら、きっと みんな『へー!』ってなる。…」

 

 この「『へー!』ってなる。」というフレーズに心が動かされました。この「へー!」という感覚を知ることが、障害理解にとってとても大切なことなのではないかと私は思いました。障害に対する誤解や差別などを生んでしまう根源は、それぞれの個人にある「障害のイメージ」だと考えられます。そのイメージは、良いにしろ悪いにしろ障害そのものを決めつけてしまうことに繋がります。だから障害について初めて知った時に、良いも悪いもない「へー!そうなんだ」という感覚があれば、誤解なく純粋に障害理解を深めていけるのではないかと考えました。

 もうすでにいろんな「固定化されたイメージ」を持ってしまっている我々大人に比べて、子どもたちは「へー!そうなんだ」という感覚を持つことで、「人との違い」を純粋に、「当然の違い」として受け入れやすいのではないかと…。 

 絵本の後半に出てくる、

「おなじところを さがしながら ちがうところを おたがいに おもしろがれば いいんだね。」というフレーズにそんな意味が込められているような気がしました。

 

 絵本の最後、唐突ともいえる場面描写でお話は終わります。

 4本も手のある宇宙人が、「ぼく」を見て言います。

「・・・えっ?キミ、手が2ほんしかないの?かわいそう!」

 そして「ぼく」が少しとまどい、はにかむように答えます。

「いやー。やっぱり ふべんそうに みえちゃうよねー。」

 

 この最後の会話に、子どもたちはどんなことを思ったのか…それが昨日の「きらきらうきうきどんどんの日」の肝(ポイント)だったと思います。

 

 早速、6年生の学級通信に子どもたちの思いが綴られていました。

 写真では見にくいかもしれませんが、「のどかさん」の感想に、

「絵本の最後の『えー!腕2本しかないの!?』の会話は『かわいそう』ではなく、『そうなんだ!』と認め合った方がうれしい!」

と綴られていました。

 きちんと「ちがいを互いにおもしろがる=認め合う、尊重し合う」ととらえているんだなと感心しました。

 

 それにしてもこの学級通信…担任の先生の思いがあふれんばかりに伝わってくるいい通信だなと…これまた感心しきりの私です。

原ゆたかさんの思い ~かいけつゾロリがギネス記録に!~

 低学年の子どもたちに大人気の児童書「かいけつゾロリシリーズ」。昨年7月に71巻目が発行されたのですが、同じ作者が物語とイラストを執筆した児童書のシリーズでは世界で最も多い発行巻数としてギネス世界記録に認定され、11月29日、認定証が授与されました。

 「かいけつゾロリ」は、キツネのキャラクター「ゾロリ」が仲間とさまざまな冒険をする物語で、1987年に第1巻が発行されて以来、これまでに累計発行部数は3500万部を超えています。

「夢のようなことが起こってちょっとびっくりしています。どんどんネタがなくなって苦しいときもありますが、子どもたちに望まれているうちは頑張っていきたい」と作者の原さんはインタビューで話されていました。また、「子どもたちが支えてくれてここまで続けられました。物語ではゾロリは毎回失敗しますが、それでも次に挑戦します。諦めずにもうちょっと頑張ってみようという気持ちが伝わってほしいです」とも話されていました。

 そのインタビューの中の原さんの言葉で、特に印象に残った言葉を紹介したいと思います。

「本が嫌いな子がどんどんとページをめくりたくなって「気がついたら一冊読みあげていた!」という本を作りたいという気持ちでした。」

「大人って、自分が小さい頃に読んでいたおもしろい本のことは忘れてしまって、いま、『子どもに読んで欲しい本』を読ませようとするものなんですよね。でも、大人が読ませたがるような小難しい本って、子どもの頃、私は全然おもしろくなかった。子どもは親父ギャグやおならが大好きだし、僕はそんな時期を経て、大人になるものだと思うんです。だから、子どもたちにもそこは通らせてあげてほしい。そしてそれを使って本を読む楽しさを教えたいなと思うんです。」

 

そして、私がもっとも納得した原さんの言葉がありまして…、これは「かいけつゾロリ」で大切にしていることはありますか?」という質問に対する答えでした。

 

「戦わない。人を傷つけない。ハラハラドキドキさせることかな。学校の図書室にも並ぶものだから、殺伐としていないものを描かなきゃと。敵を懲らしめることはするけど、いかなる理由があっても相手をやっつけるということはしたくないと思っています。」

 

 ゾロリが敵に立ち向かう時、どうして銃などの武器を使わないのか…、「おなら」で吹き飛ばそうとするのか…合点がいきました。それは「下品」ではなく「平和」「やさしさ」だったんですね。

 低学年の子どもたちに大人気の「かいけつゾロリ」シリーズ…そこには単なる「面白さ」だけでなく作者である原ゆたかさんの子どもたちに対する深い深い思いと愛情があったのですね。

ちょっとしたことですが、幸せな時間です ~朝のあいさつ運動~

  今日は1月の16日月曜日。毎月1日と15日は運営委員会の子どもたちが「あいさつ運動」をしていてくれます。本当は昨日が15日だったのですが、日曜日だったため、一日ずれて、今日16日に「あいさつ運動」をしてくれました。…とさらっと言ってしまいますが、これもちゃんと子どもたちが「気がついていてくれる」からこそできることです。私(校長)からは「今日は挨拶運動だったね。」などとは一切言ってないのですが、(…というか私自身は忘れています。)きちんと覚えてくれている子たちがいるから、自然と「あいさつ運動」が展開できるわけです。何気ないことですが、子どもたちが「しっかりしていてくれる」ことをとても嬉しく思います。少し前までは、「あいさつ運動」をしているのか、「みんなでおしゃべり」に興じているのか、分からないような運営委員会の「あいさつ運動」でしたが、最近は、きちんと「目的」に立ち返れる子がちらほら出てきて、何人かがきちんと「あいさつ」していると、回りの子たちもだんだんときちんと「あいさつ運動」ができるようになってきました。ちなみに、2年生Yさんと6年Sさんの「自主的あいさつ運動」は今もなお毎日続けられています。(もう4か月目に入りました)

 子どもたちの登校をすべて迎え終わって、学校周辺のごみ拾いに出かけると、今度は通学途中の中学生に出会います。西小の子どもたちは、たいてい私が「おはようございます。」と言ってから、軽く会釈しながら「おはようございます。」と笑顔で返してくれる子が多いのですが、中学生は自分から「おはようございます。」と挨拶してくれる人が多いです。「気をつけていってらっしゃい。」と声をかけると、「はい。行ってきます!」と返してくれます。西小の子どもたちの「会釈しながら笑顔であいさつ」というのはとても気持ちいいのですが、中学生の「自分から元気なあいさつ」というのも、とても気持ちのいいものです。

 竜王町では、出会う人出会う人…必ず「あいさつ」してくださいます。ごみ拾いをしているとわざわざ車の窓を開けて「おはようございます。ご苦労様です。」と声をかけてくださる方もいます。もちろん車から「会釈」してくださる方はたくさんいます。朝の少しの時間ですが、いろんな方々と「触れ合える」ことを楽しいと思えますし、そんな時間が持てる「竜王町のあたたかさ」の中で、仕事ができることに感謝しています。

お仕事チャレンジ発表会! ~1年生生活科「じぶんでできるよ」~

 

 今日の5校時。1年生の生活科の授業研究会が行われました。蒲生郡の7つの小学校から低学年の先生たちが、1年生の授業を見にきてくださいました。

 今、1年生は「じぶんでできるよ~お仕事チャレンジ~」の学習をしています。「自分の家庭生活について、調べたり、尋ねたりしながら、お家の人のよさや自分でできることをなどを見つけ、家庭生活は家族が互いに支え合っていることが分かり、自分の役割を積極的に果たすとともに、規則正しく健康に気をつけて生活しようとできる」ことが学習のめあてです。

 この「お仕事チャレンジ」は、一度お家のお手伝いをして、その仕事の内容を説明したり感想を発表したりして、「はい!おしまい」というような薄っぺらな学習ではなく、何回も「お仕事チャレンジ」して、そのことを友達と発表し合いながら、「自分にできること」を増やしたり、家庭生活の中の自分の役割を積極的に果たせるようになったりすることをめざす学習です。

 子どもたちはすでに2学期に2回の「お仕事チャレンジ」を終えており、今日の発表会は3回目の「冬休みのお仕事チャレンジ」を振り返ってのものでした。

 洗濯物たたみ、お風呂掃除、食器洗い、窓ガラス拭き、ピザづくりなどなど、いろんな「お仕事」の発表がありました。発表会は、「口で説明」するだけでなく、実物をもってきて「実演」しながら説明したり、タブレットで撮ってきた写真を見せながら説明したりと、聴く人(相手)が興味を持てるように、分かりやすいようにめいっぱい工夫して発表をしました。

 この学習には、お家の方の協力が不可欠で、子どもたちの「お仕事」プリントにコメントを書いていただいたり、タブレットで「お仕事」の様子を撮影してもらったりと、たくさんの協力をいただきました。そのおかげで、子どもたちは「お仕事チャレンジ」の試行錯誤の中から、豊かな学びと自分への自信を身に付けていきました。お家の方のご協力に心より感謝いたします。 

 今日の子どもたちの様子を見ていると、自分の「お仕事チャレンジ」をみんなに聞いてほしいという強い気持ちと自分への自信を感じることができました。自分が「発表」するだけでなく、友だちの「質問」にも答えました。聞いている方は、発表に対して「質問」をしたり、「感想」を言ったりしました。何回も発表会を経験することで、「話す力」や「聞きあう力」、「感想を言葉にする力」等が確実についてきたように思います。特に、今日は「お客様」がたくさんいるので、緊張しながらも、「聞いてほしい、見てほしい気持ち」が勝って、普段より意欲的な子どもたちでした。

 

 さて、今日来てくださった「お客様」の子どもたちの活動に対する感想ですが…、

「これが冬休み明けの1週目、金曜日の午後の子どもたちの姿?1年生とは思えない集中力と学習意欲です。うちの学校は2年生でも、もう授業にならないくらいへろへろになっていますよ…。」

「全体での活動→グループでの活動→全体での活動と、子どもたちの切り替える力がすごいです。この力が『朝の脳トレ』の成果でもあるんですね。」

「発表会をすることがゴールではなく、発表会を終えてから『〇〇さんの、〇〇のお仕事がすごいと思った。今度ぼくも家でチャレンジしたいです。』と次の「お仕事チャレンジ」への意欲をもっているところが、とても意味のある深い学びだと思った。」などなど… 

 本校の1年生の素晴らしさを絶賛していただきました。本当によく頑張った1年生そして吉村先生でした。

 

 そしてやっぱり「お客様」が帰り際におっしゃいました。

「下駄箱の靴、びっくりするくらいきれいに揃ってますね…。」

 私…「ありがとうございます。これが『竜西プライド』です。」