校長ブログ

「地域」に支えてもらってこその「豊かな学び」②~地域学校協働本部~

 

 今日の放課後、30日(月)に行う予定の3年生の「昔の生活体験」である「七輪体験」のための地域スタッフ&ボランティアの研修会が行われました。コーディネーターである地域学校協働本部の関川先生、岡山さんをはじめ、「昔、七輪が生活の一部だった『師匠』クラスの方から、保護者スタッフそして担任の先生、総勢10名ほどの皆さんが、マッチの擦り方から、炭火の起こし方、子どもたちに体験させるときの安全配慮事項などなど… 、実際に試しながら、確認されていました。

 子どもたちの目的は、「七輪でお餅を焼いて、美味しくいただくこと」なのですが、この学習の本来の目的は、子どもたちが「昔の生活」を実際に体験して、今の生活と比べて、その違いや昔の生活の大変さやよさについて思いをはせることです。

 まずは、「お餅ひとつ」焼くのに、どんな道具が必要で、どんな手順が必要で、どんな知識が必要で、どんな甲斐性が必要なのか、どんなことに苦労するのか…、そして最後に七輪で焼いた「お餅」はどんな味がするのか…身をもって体験してもらいましょう。

 といっても、これを学校だけでするのは、なかなか大変です。担任の先生だけでは対応できません。ひょっとして他の学校だったら、「この体験は準備も大変だし、危険も伴うから、ここは映像を見て学習することにしましょう。」ということになるかもしれません。しかし本校の学びモットーは「体験と関わり」ですから、できるかぎり「直接体験」で子どもたちに学ばせたいと思っています。

 そこで「救世主」になるのが地域学校協働本部、つまりは地域の皆さんです。地域の皆さんの力を借りれば、こんな体験学習も可能になるということです。ここでも子どもたちの「豊かな学び」を全面的に応援してくださる地域の皆さんの「優しく熱い思い」に心から感謝しなければならないと思っています。本当にありがとうございます。

 

 実は明日、文部科学大臣表彰を受賞した本校コミュニティ・スクールの「ふるさと学習」の実践について、県庁で私と岡山さんが実践発表することになっています。久々に大勢の方々の前で発表することになります。地域の方々のおかげでいただいた「とびきりでっかい賞」ですから、精いっぱい「竜西プライド」をぶちかましてきます。

「地域」に支えてもらってこその「豊かな学び」①~ぽえむ~

 今日の朝は、1,2,4年生の教室はぽえむさんの絵本の読み聞かせでした。子どもたちのために、選りすぐった絵本や紙芝居を、感情をこめて抑揚たっぷりに読み聞かせてくださいます。いつもは「朝の脳トレ」で、気持ちを全集中させて「テンポとスピード」重視で頑張っています(これを「速考」の学びと名付けました。)が、ぽえむさんの読み聞かせは、ゆったりとした気持ちで、ゆっくり本の世界を楽しみます。じっくりじっくり登場人物の心情や作者の思いについて考えながら聴いています。(これを「遅考」の学びと名付けました。)「速考」と「遅考」の学びを両方大切にしながらバランスよく、緩急をつけて学んでいくのが理想だと思っています。 

 ぽえむさんは、いつも竜西っこのそばにいてくださいました。子どもたちが生まれるずっと前の平成12年の9月から20年以上にわたって、本校で「読み聞かせ」を続けていてくださるんです。今まで、ぽえむさんの読み聞かせを聴いた竜西っこは全部で何人になるのでしょう…ざっと計算してみたら1300人をこえる人数になりました。

 いつも竜西っこの隣にいて、絵本という心の栄養を与え続けてくださっているぽえむさんに、改めてお礼を言いたいと思います。いつもいつもありがとうございます。おかげさまで竜西っこは「豊かな学び」をさせてもらっています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

大盛況!移動図書館 ~中・高学年ももう少し来てほしいなあ~

 今日は月に一度の「移動図書館」の日。町立図書館からたくさんの本を持ってきていただき、1年生ホールに並べてもらいます。学校図書室にはない新しい本や、いろんなシリーズ本なども持ってきてくださいますので、子どもたちもこの「移動図書館」を楽しみにしています。

 給食の時間が終わるや否や、待ち構えていた2年生の子どもたちが一気に押し寄せます。そして少し遅れて1年生もたくさんやってきて、あっという間に移動図書館は「満員御礼」状態になってしまいました。

 子どもたちはあれこれと、いろんな本を物色しながら、お気に入りの2冊を決め、町の図書カードで借りる仕組みになっています。

「みんな、どんな本借りたの?」と聞くと、子どもたちは嬉しそうに借りる本を見せて、その本を紹介してくれます。先日紹介した「かいけつゾロリ」を借りる子もいました。 

 低学年の子どもたちがこんなにたくさん「移動図書館」にきて、楽しそうに本を借りてくれることを、とても嬉しく思います。中学年はみんな外で元気で遊んでいて、それはそれで素晴らしいことで、また高学年は昼休みもいろいろと用事があって忙しいということは、重々分かっていますが、月に一度きりの「移動図書館」ですから、中高学年ももう少し関心をもって、本を借りに来てほしいなと願っています。

脳の活性化+名文に慣れ親しむ ~3年生の音読が素敵です!~

 毎朝の「脳トレ」。一番早く声が聞こえてくるのは3年生です。3年生は子どもたちの「朝の用意」も早く、8時半の「脳トレスタート」の時間を待たなくても、「音読」をスタートできるのが、3年生の素晴らしいところです。

 それから、子どもたちの「音読」の時の、姿勢(構え)がいいのも3年生の素晴らしいところです。しっかりとお腹から大きな声を出すことで、体と脳が目覚め、活発に動き始めます。3年生の元気なはつらつとした音読の声が、爽やかに校舎に響いています。朝から、心を「整えて」、気持ちのいい朝のスタートがきれている3年生の姿に一年間の大きな成長を感じています。

 

 脳トレの「音読」では、今「竹取物語」をやっています。

 

「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。

 野山にまじりて竹をとりつつ、よろづのことに使ひけり。

 名をば、さぬきの造となむいひける。

 その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。

 あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。

 それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。」

 

 これは「全校共通教材」であって、1か月間は1年生でも6年生でも同じ「竹取物語」を音読しています。

 低学年には難しいのでは…。意味が理解できないのでは…。」と思われがちですが、「意味」はすべて分からなくていいと思っています。「竹取物語」なら、「文語体」独特の言い回しや調子に慣れ親しんで、楽しんで「音読」できればいいのです。この「全校共通教材」は原則、毎年同じものを扱います。つまり毎年1月は、どの学年も「竹取物語」を音読します。そうして毎年繰り返すので、上学年になるとほとんど「そら」で暗唱できるようになります。そして学年が上がるにつれ、自然とその「意味」もなんとなく分かってくるようになります。

 本当に「教材」としてしっかりと学ぶのは中学校に行ってからで、「竹取物語」や「平家物語」「枕草子」などは中学校国語でしっかり学習します。逆に言えば、中学校で学ぶ「古典の名文」を脳トレの「音読」で扱うようにしているわけです。竜王町の子どもたちが、中学校で古典を学ぶとき、すでに子どもたちは「暗唱」できるくらい、古文の文章が頭に入っていることになります。 

 竜西小は随分前(私が教務主任をしている頃)から、「竜西ほんわか大作戦」と銘打って、読書の推進や暗唱ラリーなどの取組で「名文に慣れ親しむこと」に力を入れてきました。現代文、古典にかかわらず、「名文」に触れること、音読(暗唱)することで「文学・言葉の力の素晴らしさや楽しさ」を味わうことを大切にしてきました。「意味」はよく分からなくても、(それはあとあと自然とついてきますから、)まずは「音や調子」「作品の雰囲気」なんかが楽しめればいいと思っています。先日も、1年生が宮沢賢治の「雨にも負けず」を自信たっぷりに「暗唱」している姿を見て、「子どもたちの力ってほんとにすごいな。」と感心させられました。

ちなみに、朝の脳トレの「音読」では、「全校共通教材」以外に、その学年に味わわせたい「学年教材」にも取り組んでいます。

決して「手」を止めない集中力! ~今、2年生がすごいです!~

 今朝、久々に2年生の「朝の脳トレ」を見に行って、すごく驚きました!いつのまにか2年生の子どもたちの「集中力」がとんでもなく高まっていたからです。

 特に、漢字学習の場面の「集中力」がすごかったです。一定時間、全く手を止めることなく、漢字を書き続けます。もうプリントの余白はどこにもありません。時間がある限り、練習あるのみ!書きまくります。その子どもたちの「勢い」に圧倒されるくらいでした。一部の子どもたちではないですよ。一人残らず、全員がすごい「集中力」と「勢い」で手を動かしています。

 そして、子どもたちの「勢い」に負けず劣らぬ勢いで、担任の先生は子どもたちの机間を動き回ります。決して「足」を止めません。「きれいな字だね!」「姿勢がきれいだね!」「すごいすごい!いっぱい練習できてる!」…一人ひとりの「やる気スイッチ」を押し続けながら子どもたちを鼓舞し、励まし、支えます。

「はい。テスト!」と担任の先生が言うと、子どもたちはいっせいにプリントを裏返して、「漢字のテスト」に入ります。全部書けると、「はい!」と手をあげ、先生を呼びます。先生は駆けつけるとすぐにその場で「〇つけ」をしてくれます。その後も決して子どもたちの手は止まりません。余白に「復習」します。テスト用紙も一面、漢字で埋まっていきます。

「はい!」と手をあげて、先生の〇つけを待っている間すら、子どもたちは手を止めません。本当にすごい「集中力」です。とてもとても子どもたちが頼もしく見えた「朝の脳トレ」の風景でした。

 「15分間、子どもたちは決して「手」を止めない!そして先生は「足」を止めない!」…これが自慢の「竜西プライド」です!